4月22日に9周年を迎えるだいにぐるーぷ。
年始には“コンテンツに回帰する”というスローガンを掲げ、これまでの展開を大きく見直した2026年。
サブチャンネルのメイン統合や、メンバーシップのDiscordサーバー廃止、そして本連載「DAI 2 REPORT」も終了を迎えようとしているなど、コンテンツとサービスの再編が進行中だ。

サブチャンネル『今までありがとうございました』より
その変化は、目に見える形でも現れている。
直近の上映会では公演数を絞り、東名阪をタイトなスケジュールで巡回。さらに『リアル人生ゲーム』最終回からわずか1週間で、新企画『1年間逃亡生活』のPart1が公開された。
かつてないスピード感での展開に加え、サブチャンネルのクオリティ向上など、“コンテンツ回帰”の動きは明確だ。
そして迎える10年目。
この1年は、これまでの積み重ねに一つの区切りをつける節目の年となる。
今回は9周年を目前に控え、リーダーの岩田にインタビューを実施。
これまでの歩みを振り返るとともに、これからの展望について話を聞いた。
ー今年、“コンテンツに回帰する”ということで結構大幅な改革を行っていますが、心境の変化というか、方向転換を考えたタイミングっていつでしたか?
岩田:去年だと思います。イベント過多になっていたんですよね。上映会の公演も数多かったですし、感謝祭とか新しくて楽しかったっていうのはあるんですが、いろいろやってみて初心を思い出したじゃないですけど。
岩田:コアなファンは喜んでくれるけど、もう少しライトな層、コメントとかはしないけどコンテンツを見てくれている人たちには、このイベントでやっているものは届かないので「なにをやっているんだろう?」って感じになっているのかなと。
岩田:揺り戻しみたいなものだと思っています。サロンクルーを始めて、そのあたりからメンバーシップのファンにすごく比重が寄ったのがこの2年でしたね。その方向性が行きすぎて、揺り戻しでコンテンツの方に帰ってきた感じなのかなと思っています。

2025年3月14日~15日、秋葉原で行われた感謝祭
岩田:『ゾンビゲーム』の上映会の動員が思ったより弾まなかったのも個人的には大きいですね。
岩田:これまではオセロみたいなものだと思っていて、コアなファンが喜んでくれるようなものをしっかりと作っていたらライト層もいずれはひっくり返るっていう風に考えていたんです。
岩田:コアな層が多ければ上映会とかの規模もどんどん大きくできて、そうしたら興業収入も増えて。そしたら企画やプロモーションに使える予算も増えるので、今までできなかったような企画もできる。それでまたライト層をコア層に引き込んでっていうふうに考えていました。
岩田:上映会の動員が伸びていくことが、だいにぐるーぷのゆくゆくの成長に繋がるってこの1年は考えていて、実際ずっと右肩あがりではありました。ですが、ゾンビゲームあたりでパタリと止まって、頭打ちなのを感じましたね。
岩田:そこで、もう一度だいにぐるーぷの歴史ぐらいの大きなスケールで見返して、“コンテンツに回帰する”べきだと思って。(だいにぐるーぷの)みんなに聞いたら、割とみんなも同じようなことを思っていましたね。

2025年12月7日『ゾンビゲーム』上映会千秋楽
ーこれまでのだいにぐるーぷを振り返って、なにか思うことはありますか?
岩田:いくつか転機はありますね。たとえばYouTubeというプラットフォームとか、コンテンツ制作とか、ファンビジネスとか。その辺の解像度は全然高くなくて、それこそ一番最初は基本逆張りでしかなかったですね。
岩田:毎日投稿はあえてしないとか、あえてグッズは出さないとか、サブチャンネルはやらないとか、挨拶しないみたいなところからだいにぐるーぷって始まっていて。反骨精神じゃないですけど、2軍的な逆張り意識がすごく強かったです。
岩田:そんなところからここまでなんとなく今バランス感でやってきて。「いやそれやらないって言ってたじゃん」みたいなひっくり返しとか価値観の変化がありました。
岩田:もっと細かくいうなら事務所(アミューズ)を辞めたあたりから、コンテンツをただあげて広告収益で稼ぐみたいなことができなくなって、自転車操業がはじまって、スポンサーを頼ったりもしました。でもそれもあまり親和性はよくないし、自由に作品作りができないことへのフラストレーションを感じたりもしました。

『1週間無人島生活2』での衣装提供’
岩田:例えばBlu-rayも、当時の僕らの中では発明だ!って感じで、Blu-rayを出せるのは僕らしかいないとも思っていました。当然メリットも大きかったです。
岩田:それまでスポンサー頼りだった企画費を自分たちで捻出できるようになったし。おかげで誰にも何も言われずに『冤罪』のような、広告収益だけでは絶対に採算の合わないような企画ができるようになったことで(企画の)幅が拡がりました。そういう意味ではとても大きな存在でしたね。
岩田:ただ、一方でBlu-rayを見れない人からすると、メインが最後まで完結しきらないというか。この先は有料でっていうのはライト層からしたら小さい不満が溜まるよねというのもありましたね。Blu-rayをやめたのも僕らの中では結構大きな決断でした。

だいにぐるーぷ初のBD『♯1週間心霊スポット生活-final-』
西尾の人形島生活の裏で行われていた、須藤・加藤の偽人形島生活が収録されている。
ー去年まではファンに比重が寄っていたという話が先ほどありましたが、イベントやファンとの交流から影響を受けたりみたいなことはありましたか?
岩田:見てくれている人の解像度がすごく上がりましたね。結局、作り手って誰かの顔を想像しないと作品がブレちゃう気がしてて。コイツに刺すんだとか、コイツが笑うのかなとか、普段どういう状態でだいにを見てくれてるのかとか、そういうのはすごく勉強になりました。

上映会物販の様子
岩田:多分、YouTuberって数字とかコメント欄とか無機質なものと戦っていて。誰かの人生の中に入っているって感覚があまりないんですよね。動画作って、再生数とかで喜んだりして、スコアが良ければお金がもらえるゲームをやっているみたいな感覚なんですけど、ファンとの交流を経てそういう“顔のある視聴者”を意識できるようになったのは大きかったですね。
岩田:一方で、イベントってどうしてもコアな人が中心になるので、その人たちにはすごく刺さるけど、ライトな人には届かないっていうのも同時に感じました。だからこそ、今は一回コンテンツに戻して、もう少し広い層に届く形にしていく必要があるなと思っています。

ーだいにぐるーぷはかなりファンとの距離が近いイメージがありますが、ファンとの距離感についてはどう思っていますか?
岩田:お互いが幸せでいられる距離感っていうのは絶対にあると思っているので、そこはまだ模索中ですね。コンテンツに比重をおきますが、視聴者参加型の企画は今後も全然やる可能性はあります。
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こうした試行錯誤を経て、“コンテンツに回帰する”という決断に至っただいにぐるーぷ。
では、ここから先、どのような形で進化していくのか。
そして10年目を迎える彼らが見据える未来とは。
後編では、だいにぐるーぷのこれからの展望について、さらに詳しく話を聞いた。