上映前のインタビューにて、今回の企画はとても自信があるので、上映会にきてぜひ観てほしいと話した岩田と、今回のドッキリのターゲットとなっていた須藤の2人に、上映会ツアーが終了して間もない今の気持ちを話してもらった。

―上映会ツアーが終了して間もない今、率直な感想を教えてください。
須藤:僕がこの作品自体を作ったわけではないから「俺が本当にこの場所に立っていいのか」みたいな不思議な感覚になりながら登壇では、「無意識に皆さんの事を笑わせることができたなら嬉しいです」と皆さんに向けて話していましたね。
須藤:今までの企画は、企画として知って参加しているから、ちょっと無意識に自分を作ってしまうことがあったんですけど、今回は仕事ではないと思って参加していたので、そんな気持ちになったのかなと思います。
須藤:ですが、いつも通り楽しい上映会でした。
岩田:上映後物販だったりアンケートなどを見ていると、笑ったり泣いたり、感情がジェットコースターみたいでしたみたいなコメントが多くて、「劇場版クレヨンしんちゃん的なところに全て内包されるドッキリ」だと感じているとマガジンで話したんですが、その狙っていた思惑が、見に来てくれた方に刺さっていたなと感じましたね。

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岩田:いつも編集とか撮影の時間があまりなかったり、最初の構想から何か妥協しなきゃいけない場面って結構多いんです。
岩田:それで言うと今回の企画は、一番妥協せずに完成まで持っていけたなって思っていて、特に編集を本当に妥協しなかったからこそ、自分で見ていても、ここ直したいなみたいなのがそこまでなかったという面では結構いいものができたなって思っています。
岩田:ただ特大ホームランを打てた感覚ではなくて、催眠術の浸透の部分だったり、新しいものを作れて、それが受け入れられたなっていう感覚はあるんですけど、新しいから面白いっていうのであって、作品としてとんでもなくすごいみたいな肌感はあまりないですね。
―上映後物販で作品を見てくれた視聴者の方々からは、どんな声が多かったですか?
岩田:上映後物販では、白い部屋でのシーンで泣いちゃいましたっていう声が多かったですね。これは僕がここで泣かせにいこうと考えていたシーンでした。
岩田:だいにを知っている人なら、僕らの関係性で、逆にあまり知らない人には家族との関係性のところで感情が揺れ動くと思っていたので、狙いがうまくはまったなと感じましたね。

メインチャンネル『世界滅亡ドッキリ|日本の未来を決める1票【Part5】』より
須藤が夢の中で家族とメンバーたちに別れを告げるシーン
須藤:僕もそこのシーンで泣きましたって声が多かったんですけど、逆に僕がそれを初めて観る視聴者なら、ここで泣かせにきてるなっていう編集が丸わかりで、逆に冷めると思うので、岩田にはもうちょっと努力してほしいですね(笑)
―改めて今回の企画を終えて、観た方に一番伝えたいメッセージを教えてください。
岩田:今回の作品には、自分が今考えていることをたくさん詰め込みました。テーマとしては「正義とは何か」という問いが根底にあります。誰が悪くて誰が正しいのかは、立場や守りたいものによって、まったく変わってくると思うんです。
岩田:特に、決断を迫られる立場にいる人の重圧は計り知れないと思います。どちらを選んでも批判されるような状況でも、何かを決めなくてはいけないんです。そのときこそ、人は「自分の正義」を持って向き合うしかない。正義同士がぶつかることもあるし、絶対的な答えはないんです。

『世界滅亡ドッキリ|トロッコ問題【Part4】』より
岩田:だからこそ、この作品の中で須藤という存在が、自分たち(観てくれた方々)と同じ目線でそういった世界に入り込むことで、視聴者にも一度立ち止まって「自分だったらどうするか」、「正義とは何か」を考えてほしいんです。ただ観て終わるのではなく、何かが心に残る、そんなお土産を手渡せたら、という思いで作りました。
―須藤さん自身、これはドッキリにかけられているかもしれないという感覚はありませんでしたか?
須藤:最初は鈴木おさむさんたちとの飲み会で、本当に鈴木おさむさんが都市伝説的な話を信じるのかなみたいな疑問はあったんですけど、バッジだったり話を聞いていくうちにその疑問はなくなって、次第に興味の方が強くなっていきました。
須藤:疑問が完全に消えたのは、フリーメイソンのグランドロッジ行のバスを自分の目で見たときですね。

『世界滅亡ドッキリ|秘密結社フリーメイソン行きのバス【Part1】』より
―その体験がドッキリだったと理解した直後の気持ちを教えて下さい。
須藤:もうYouTuberを仕事にして長いので、脳がすごくおかしくなってるのもあると思うんですけど、まず単純にすごい体験をさせてもらったなというのと、やめてくれっていう気持ちが半々でした(笑)
―東京爆破のニュースを催眠が解けていない状態で俯瞰してみたと思うのですが、どんな気持ちになりましたか?
須藤:急に起きたら家だったので、夢か夢じゃないか最初は頭が痛くなりましたね。
須藤:それから徐々に整理していくと、自分の選択したで間違いないからあっているかと思ったんですけど、日向さんをはじめとした東京の人たちを救えなかった申し訳なさより、自分の考えを巡らせることに精一杯で、あまり他の人を考えられる余裕はなかったです。

―作品の中で気づいたことはありますか?
須藤:最後の方で東京の人を救うのと合わせてメンバーを救いに行く場面があるんですけど、メンバーから「お前も死ぬかもしれないんだぞ」と言われたときに、東京の人を救いたいという気持ちが100%だったのが、0%に一気になって、自分のことを自分が一番大事にしていることに気づきました。
須藤:男の子だったら、誰しもヒーローに憧れがあると思うんですけど、メンバーからあの言葉を言われて、「おれも死ぬかもしれないんだ」っていう恐怖から、俺には家族もいるし、「まだ死にたくない」っていう気持ちに変わっていきました。
須藤:メンバーが亡くなった写真を直前に見たことも大きかったかもしれないです。

須藤:他で言うと、自分の感情が友達と家族で揺さぶられるんだなということに少し安心した自分もいます。
須藤:動画の中だと、明るくてちょっとバカっぽく見えるってよく言われるんですけど、プライベートは割と物静かだし、あんまり人に興味ないタイプだと思っていたんですよ。例えば、もしメンバーがいなくなったら泣くのかなとか、家族になにかあったら復讐心みたいなのが湧くのかなとか、たまに考えていたんですよ。
須藤:それが今回やってみて、ちゃんと心が動くんだなって思って、長く付き合ってきた人たちに対しては、ちゃんと興味もあるし、感情もちゃんとあるんだなって思って、すごい良い経験をさせてもらえたなって思っています。
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「正義とは何か」という問いが主題に置かれた本作品。
みなさんは何が正義と考えただろうか。いつかみなさんの人生にも大きな選択が迫られることがくるかもしれない。その時、自身の正義の価値観から考えてほしい「どう生きるのか」を。
私はこの作品から「君たちはどう生きるか」を代表とする宮崎駿監督作品の、明確な正解を与えるのではなく、「自分で考えろ」という宮崎駿ニズムを感じた。
そういう意味では、宮崎駿監督が岩田涼太を生み出したのかもしれない。
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