【Vol.64】独学におけるCGのすゝめ

【Vol.64】独学におけるCGのすゝめ

圧倒的な編集力を武器として現代の映像業界へ名を連ねるだいにぐるーぷ。彼らの作品を見た人ならば1度は感じるであろう、彼らが作るCG映像への迫力、感動を。

今回はその映像を手掛ける西尾知之へ、CGに対する思いを取材した。

ーCGを勉強しようと決めたきっかけを教えてください。

西尾:2018年くらいですかね。

西尾:だいにぐるーぷとして企画力はあったとしても、その企画に見合った編集ができているかっていう時に、他の動画編集者の情報を調べると、僕たちと違う編集ソフトを使っていたりするんですよね。そのソフトを使える人がだいににはいなかったんです。

西尾:そういう人が1人でもいた方が、より動画のクオリティ上がるよね。っていう考えから勉強し始めたと思います。

2018年、彼らが日の目を浴びるきっかけとなった心霊スポット生活第1弾
当時の編集を見て「このままではYouTuberで終わってしまう」と感じたようだ。

西尾:最初は3DCGに触れる想定はなかったんです。でもテレビっぽい編集とかを見たときに、そこまでの技術力がだいににはないよなって感じていました。

西尾:テレビのクオリティに近づきたいなっていう思いもありましたし。やっぱりテレビに憧れを持つ僕らからすると、少しでも近づきたいなっていう気持ちがありました。

ーなにか目標にされていた番組はあったのでしょうか。

西尾:僕らとしてはやっぱり水曜日のダウンタウンが昔から好きですね(笑) ナレーションテロップとか、いろいろ意識することが多かったんじゃないかな。

サブチャンネル『サブチャンネルが生まれ変わります』より。
画像は水曜日違いのオマージュだが、オマージュの天才・服部の参入によってTVっぽさが増した。

ー具体的な勉強方法について教えてください。

西尾:最初はいきなりアニメーションやろうっていうよりかは、どのツールを勉強すべきかを調べました。僕たちは動画系なのでまずは動画を作れるようになろうっていうことでAfter Effectsっていうものをちょっといじってみるか、みたいなものから始まりましたね。

西尾:当時全然お金がなかったんです(笑)CGの講座って大体2万5000円くらいの価格で決める人が多いんですよ。

西尾:でも僕が使っていたUdemyは毎週のようにセールをやっていたんですよ(笑) その期間は何かあっても1800円っていうことをいつもやってるんです。めちゃくちゃ安くて助かりました(笑)

とんでもない割引率のセールが定期的に開催されるUdemy

ー講座ということは映像授業的なものだったのでしょうか?

西尾:そうですね。講座によってはまずツールの使い方から、基礎中の基礎からやっていきましょうっていうものから始めました。

西尾:操作方法とか、本当のソフト画面があったとき、どうしたらいいのかわからないじゃないですか。そのことについて細かくまとめた情報のものが10時間の授業みたいにあったりするんですよ。

Udemyではこのように細かくソフトの操作方法からの講座が多数存在している。

西尾:それを見て使い方を理解したら次はこういう映像を作るにはどうすればいいのかっていうのに対して別の講座を購入するっていう進め方でしたね。

西尾:浪人時代に映像授業で勉強していたり、倍速して見れることもあったので10時間くらいの長さがあったとしてもそんなに気にならなかったですね。勉強時間の合計は多分3000時間くらいじゃないかな。

ーその基礎から応用がなされていったと。

西尾:そういうことです。”廃工場貸し切って、本気のサバゲーやってみた”から3DCGを使い始めました。

西尾:今だとサブスクリプションに加入していればそこの映像素材とか利用できるんですけど、当時は入っていなかったのでサバゲーのデジタルっぽい動きや表現も1から手作業で行ってましたね。

ーその後多くの企画で3DCGを使用した作品がありましたが、1番熱が入った作品はどれでしょうか。

西尾:やっぱり”無人島バトルロワイアル”じゃないですかね。

西尾:このバトロワの企画までは、企画と企画の間で色々と技術力を上げるために勉強して、パワーアップして編集にぶつけようっていう考え方だったんです。

西尾:でもそれだとコスパ悪いよねっていう話になったんですよ。1か月に1本しか動画が出せないタイミングもあったりとかして。

西尾:やっぱり作りたい表現を難しい技術を使って作成していたんですけど、それをPart1からPart7まで維持するってなった時に、維持できなかったんですよね。飯野も力を入れていたんですけど、どうしても難しくて。

西尾:これだとやっぱりグループとして成長しづらいよねみたいな話があがりました。そこで方向転換を決めたこともあって、今でも覚えています。

西尾:最近の企画でいうと”1週間逃亡生活ー東京編ー”かな。正直嫌な思い出ですよ(笑) 

西尾:【ドキュメンタリー】1週間逃亡生活-東京編-ができるまでの90日間”でも分かるんですけど、CGだとなにもないところから1から作るので、そこにすごい処理がかかるんです。パソコン5、6台フル稼働させてましたね(笑) 

西尾:もちろん他の人のパソコンを借りるってなると、その人がいない深夜に作業するしかないんです。そのうえ、深夜に書き出す状態まで自分の方で作業をしなきゃいけなくて。そして書き出したときもエラーが起きたりしちゃうんです。なので書き出しのタイミングも軽く見てなきゃいけないみたいな。

サブチャンネル『【ドキュメンタリー】1週間逃亡生活-東京編-ができるまでの90日間』より
1台のPCでは60時間以上、複数台使用しても10時間以上かかるうえ、PCを5台も使用すればスタジオのブレーカーが落ちてしまうのだという

物理的に時間が足りない状況下で完成させたのが東京逃亡だった。

西尾:ざっくり1日のスケジュールを言うと、昼の12時くらいに起床して深夜の2時3時ぐらいまで作業して、他のパソコンでも書き出したから一旦家に帰宅したんですよ。

西尾:シャワー浴びたりして、またスタジオ戻るかってなって朝4時ぐらいにまた出社して作業して、朝7時〜8時ぐらいにみんなが出社してくるのでそこで1回寝て昼起きるっていう生活をしてました(笑)

 

ーその生活の中や今までの勉強をされていた際に挫折などはなかったのでしょうか。

西尾:最初にCGを勉強したタイミングから、プロが作るCGの映像を見ていたんです。その時に2、3年後にこのレベルになりたいなって思いながらやっていたんですけど、年をとってもあまり差が縮まってない感じがするのは結構多かったですね。

西尾:もう僕の中でプロの映像を見ているので、まだまだな映像を出しちゃっているって思ってます(笑) 本当に満足して出した映像は正直ないです。挫折っていうか、納得するものをまだ作れてないっていうのが今でもありますね。

ー納得しているものが一つも無いのは驚きです。そうすると自身で気に入っているシーンなども浮かびにくいですか?

西尾:いや、作品一つ一つにすごくこだわって作ったものは必ずあります。難しいんですけど、それこそ”1週間逃亡生活ー東京編ー”の最後に映る東京上空のシーンですかね。色々加味してやっぱり好きなシーンが多いですね、東京逃亡は(笑)

メインチャンネル『1週間以内に鬼ごっこで全員捕まえたら1000万円【Part6】』より

西尾:あと今回の”世界滅亡ドッキリ”の映像でいうと、上映会後に少し修正した部分が結構気に入ってます(笑) 分かるかな?しっかり街を映した状態で爆発させるっていう映像に変更しています。ぜひ見つけてほしいですね。

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彼が発したのは、まだ納得したことはないという強く高みを目指す言葉であった。

今ですら我々を驚かせるには十分過ぎるほどの彼の技術が、ますます成長していく未来。期待を寄せずにはいられない。これからの作品に、注目が集まる。

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世界滅亡ドッキリで印象的なシーンでもあった西尾のとあるシーン。本当の女性の声を使用するのは不可能だったため、AIで作成したらしい…。

AIでも音声作れるんだ!とここから発想を得て、プレミアム会員限定のラジオ、”俺のタンクトップがこんなに臭いはずがない”のOPテーマも作成したとか…?

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ち(ゃ)ぴ

だいにぐるーぷのメンバーシップ会員。
文字を書くのが好きなことや、『Not Found』東京公演のイベントスタッフを行ったりと、天真爛漫な医学部女子大生。

■主な執筆
DAI 2 REPORT
「【Vol.19】『Not Found』先行上映会(東京・名古屋)|イベントレポート」
「【Vol.24】IQ145!だいにぐるーぷリーダー岩田が嫉妬した作品たち」
「【Vol.28】27歳を迎えた飯野 太一|誕生日レポート」
「【Vol.34】だいに神社|ユニークレポート」
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「【Vol.44】DAI 2 CREW感謝祭2025を振り返る|サロンレポート」
「【Vol.52】安西に聞くだいにの軌跡|8周年記念レポート」
「【Vol.64】独学におけるCGのすゝめ」
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「【Vol.73】須藤による岩田ダイエット計画|ユニークレポート」
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