この記事は後編です。ぜひ前編からお楽しみください。
確立された“だいにブランド”。YouTuberの枠を超えた上映会と、その先へ
新たな仲間を迎え入れ、メインでのコラボを経た2022年夏、だいにぐるーぷに転機が訪れた。上映会。リーダー・岩田涼太がひとつの目標に掲げていた、劇場で自分たちの作品を流すということを実現させたのだ。そしてここから、YouTubeを離れ、映画館へと事業を拡大していく。今や東京、名古屋、大阪に加えて、福岡と札幌の5大都市での開催に漕ぎつけており、土井谷曰く「割と生活に直結する。とのこと。この2年半で、グループは自分たちのブランドを確固たるものにしている。
-以前、岩田さんは上映会をひとつの目標としていたことを語られていましたが、お二人にとっても、現実的に見据えていたものですか?
土井谷:それで言うと、饗庭さんが担当していた別のグループが劇場で企画をやってて、なんかそれ良いなというのが始まりですね。
土井谷:それとは別で、Blu-rayを売りたいけどイベント開催しないと買わないんじゃないか、みたいな話になって、それで上映会やろうかって急に出たような感じです。
飯野:でも、劇場で流すというのを聞いて、すごい良いなと思いました。めっちゃ楽しそうって。Netflixを目指してるとか、なんかいろいろありましたけど、やっぱり自分たちの作品を劇場で流すというのは現実的だったし、これできるんだってのを思ったのは覚えています。
-実際、お客さんの反応を生で見てどうでしたか?
飯野:嬉しかったですね。
土井谷:でも、心霊だったからというのもあると思いますが、そんなにウケてねぇな、とは感じました。
飯野:確かにね。予想していたよりはリアクションがなかったよね。

※写真は2024年8月「♯1週間心霊スポット生活 -REBORN-」福岡会場のもの
土井谷:あと、俺らもお客さんと一緒に見てたんですけど、あれ1個ギミックがあるじゃないですか。 それが途中でバレないかがめっちゃ心配でした。『あれ、須藤と加藤なんじゃね』みたいな声が聞こえてきたらやばいなと思ってて、結構ドキドキしてました。
飯野:俺は途中から、うわぁ、これ絶対西尾のちんちん出ちゃうなって気が気じゃなかったけどな。
土井谷:あれもビビった。一番盛り上がったかも。
飯野:そりゃそうだろう。ありえない映像だもん。見たことないもん、劇場で人のちんちん(笑)。
-このタイミングで、初のBlu-ray発売も実現させましたね。一方で、編集面における大変さはどのくらい変わりましたか?

だいにぐるーぷ初のBlu-ray「♯1週間心霊スポット生活 -final-」
土井谷:こっから地獄みたいな時期が始まりましたよ。今までは納得するまでやったら完成だったのが、本編やBlu-rayをこの時期までに終わらせなきゃいけないというのが決められて。だから、納期の1週間前くらいは一番地獄というか、絶望みたいな時期。
飯野:これ以降の作品ずっとそうだもんな。
土井谷:2カ月半くらい納期との格闘で、マジで終わるのかよっていうプレッシャーがどんどん来る時期が始まって。まぁでも、Blu-rayは思い出にも残るし、買ってもらった後に感想とかを呟いてもらえるので嬉しいです。
-上映会開始以降、編集面で意識的に変えたこととかもあったりしますか?
土井谷:結構ありますね。めっちゃ手前のことで言うと、無闇矢鱈にナレーションでボケないとかじゃないっすか。結構リスクも伴う行為なので。
飯野:あとバトロワ以降、やっぱり凝りすぎないというのもあります。編集が凝りすぎてもあんまり意味がないっていうか。
土井谷:尺も大体2時間から2時間半で収めるとか、劇場映えする演出とか。音もね。
飯野:そうだね。劇場で流れることを考えて、音効するようにしてます。
土井谷:編集はYouTubeにアップすることもそうなんですけど、上映会に向けてどうするかみたいなスタンスです。劇場で見ても画負けしない感じというか。
-飯野さんも、これまで担当していたナレーションから引退されました。今後復帰することはないのでしょうか?
飯野:はい。もう引退するという旨をみんなに伝えて、今までありがとうなみたいな感じで終わってます。
土井谷:まぁ、なんか慣れ親しんだからこそ、拒否反応が出るというのも分かるんですけど、今やってくださっている福田さんに慣れたら違和感もなくなると思います。
土井谷:あと、飯野さんはナレーションのプロでもないので、読み直したときに声が変わるという現象が起きるんですよ(笑)そういうのが無くなったという意味では、楽になった気がしますね。
-2022年冬には、悲願の登録者100万人を達成。チャンネル開設から5年以上をかけて辿り着きましたね。
土井谷:なんか、めっちゃ後から実感がきたな。去年とか。「あっ、100万人行ったんだ」みたいな。ぶっちゃけ、あのときはもっと早く達成できると思っていたので、やっと行ったという感覚しかありませんでしたけど、最近改めて100万人ってすごくねということに気づいてきました。バトロワあたりで達成している想定だったので。
飯野:そうだね。そのくらいの想定だったから、なんかもうゼーゼー歩いてたらゴールしちゃったみたいな感覚。
土井谷:やっと着いたか、という感覚が強かったかな。
飯野:あんまり、ヤッターみたいな感じじゃなかったよね。
土井谷:でも、一応100万人達成したということは、やっぱりデカいかもしれないです。なんかステータスじゃないですけど、100万人行かないとちょっとカッコつかないみたいな。逆に、100万人行ったからもう関係ないかというフェーズになれたのは、楽ちゃ楽です。
土井谷:元々、その登録者登録者という感じじゃなかったんすけど、こっからマジで登録者の話一切してないくらい、本当に気にしなくなりました。
飯野:今、何人かも分からないです(笑)
土井谷:100万人行ったし、まぁいっかみたいな空気感はあります。
飯野:確かに。登録者編のゲームクリアってわけじゃないですけど、一旦ね。
-そこからは、より一層上映会に向けた意識が強くなった感じですか?
飯野:上映会の動員の方が気になるよね。
土井谷:そうね。割と生活に直結するんで(笑)
土井谷:上映会は大きいよなぁ。反応とか気になっちゃうもんな、結局。それこそ、今のプランで始まったのが東京逃亡あたりで、それがどんどんアップデートされてて、毎回毎回楽しみです。
-この時期で思い出に残っている作品はありますか?
土井谷:俺は、東京逃亡かな。あのときの上映会は、なんとなく思い出に残っています。あと、東京逃亡でCG見たときはやっぱりすげぇなってなりましたし、こっから大阪公演とかも始まって上映会ツアーで地方に行くことも増えてきて、旅芸人みたいな感じになってきたというか。それから、このBlu-rayの売り上げがとんでもなかったので。
飯野:伝説の記録だったからな、あれ。
土井谷:我々の事業史上一番じゃないかレベル。
飯野:上映会で言ったら、やっぱりラスベガス。ラストシーンの劇場の揺れ方が半端じゃなくて、お前らこんなに声出せたのか、っていう今まで見られなかった姿が見れた気がして、こういうシーンになったらちゃんとリアクションが返ってくるんだなと。本当にライブみたいになってて、あれは嬉しかったです。
土井谷: あのシーンも、結構いろいろ試行錯誤したので、頑張った甲斐があります。
-最後になりますが、GW明けに控える上映会やその先に向けた意気込みをお願いします!
土井谷:今回は年末に募集したクリエイティブ人材の方とかも加わってて、もう本当にやばいよっていう感じはありますね。その道のプロの人たちなので、マジで映画やんっていう。クオリティとか含めて、そこら辺がやっぱり見どころかな。
飯野:まあね、もう何段階か上がるんじゃないっすか。規模感だったりとか、クオリティだったりとか。
土井谷:あとわかりやすいので言うと、今回からBlu-rayの販売がないので、またひとつ転換期であることは間違いないかなと思います。
土井谷:言っちゃえば、今まではBlu-rayとメンシプが我々の生活を支えていたわけですよ。これが吉と出るか、凶と出るかじゃないですけど、今グッズとかも気合を入れなきゃいけないタイミングだったり、メインや上映会、メンシプも含めて全部のテコ入れの時期をちょうど迎えていて、 本当に分かりやすいターニングポイントですね。
飯野:これだから、ちょっとバトロワ期の再来になる可能性あるよね、最初は(笑)どんどん、良い方向に進むと良いんですけど。
-次なる目標はNetflixですね。
土井谷:僕個人の意見になっちゃいますけど、100万人行ったときに視聴者の人たちもみんなすごく盛り上がってくれてて、次にあれくらい盛り上がるとしたらネトフリしかないのかなと思っています。
飯野:イカゲーム詐欺大盛り上がりだったもんな(笑)
土井谷:ちょっとあれは違う…いや、違くはないけど。
飯野:まぁ、視聴者の想像とは違いましたよね。
土井谷:これが本当に決まったときは、やっぱりものすごく盛り上がってくれそうな感じがしてて、その反応はちょっと楽しみなんで、やっぱりネトフリはわかりやすく目指したいです。
飯野:そうだね。概ね同じです。やっぱり今、ネトフリは映像の頂点なんで。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ある種のモラトリアムから始まった航海は、経験を積んでクリエイターとなり、さらに多くの人を巻き込んで事業となった。突入する9年目、見据えるのはただひとつ。Netflix。だいにぐるーぷは、友達と遊び暮れた放課後から、全世界に3億人の会員数を抱える映像業界の頂点へと邁進する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■「DAI 2 CREW」になる
