2024年で迎える
27歳
「27クラブ」という言葉がある。カート・コバーン、ピート・ハム、ジャニス・ジョプリンなど多くのアーティストが稀有な才能を持ちながらも27歳の若さでこの世を去った。それだけ27歳という年齢は、人生の大きな岐路であり、変化と惑いの年なのであろう。
「だいにぐるーぷ」副リーダーの土井谷誠一も27歳を迎え、「だいにぐるーぷ」の活動も8年目に突入した。YouTube界の期待のルーキーであった彼らはもう決して若くはない。「『大学生』がこの動画を作ってるの!?」「『若いのに』、企画力抜群」。その枕詞はもう通用しない。
荒波に飲まれながらも変化を続ける「だいにぐるーぷ」。そして「土井谷誠一」という個人について。27歳という惑いの年を迎える土井谷が率直に語る。
1997年9月3日生まれ
土井谷 誠一
ー9月3日に27歳のお誕生日を迎えました。今の率直な気持ちをお聞かせください。
土井谷:25歳になったときに多少思ったんですけど、27歳になると、より30歳が近づいてきてるなっていう感じはしますね。一番はやっぱあれじゃないですかね、周りからの目じゃないですかね…。この間なんかの時に「『だいに』ってもう若くもないもんね」っていう話になって。
土井谷:昔、グループが出来立ての時って「この若さでこのクオリティか」みたいなことを言われてたんですけど、例えば、今、僕らと同じ年で制作会社に入って動画を作ってる人と比べるとどうなんだろうって考えたりとか。
土井谷:クオリティと年齢のバランスが合致してきて、改めて「『だいに』の動画はすごい」って言われないといけないなと思います。
ー26歳の年はYTFFへの初登壇や「海賊サバイバル」でのLazy Lie Crazy(以下、レイクレ)とのコラボなど、今まで以上に「だいにぐるーぷ」の活動に変化があった1年でしたがいかがでしたか?
土井谷:YTFFもそうだし、レイクレとのコラボもそうだし、須藤でいうと子供が産まれて父親になったりとか。みんな大人になってきてる感はありますよね、色々な意味で。それに伴って何だろうな…。守らなきゃいけない制約とかもちゃんと守るようにはなってきたかなっていう。
土井谷:ただこれが、いいのか悪いのかはわからないです(笑)。あとシンプルにメンバーシップやサブチャンネルとか各部署の担当を決めて動き出そうってことになったのが、今年からだったんで、そういう意味では結構大変な年だったかなと思います。
土井谷:26歳って歳の全般的に言えることなんですけど、何となく自分のキャパがちゃんとわかったかなっていう感じでしたね。何となく「ここまで来たら1人じゃ無理だな」とかもわかるようになったし。今年は「すごい成長したな」っていうよりかは、色々試してみて、「これは違う」「これはこうだな」っていうのが何となく自分の中で固まったかなっていう1年ですね。地に足ついた感はちょっとありました。
土井谷:僕はそんなに器用に色々こなせるタイプではないので。何か色々うまく仕切るっていうよりかは、1個に集中した方が、個人的にはパフォーマンスを発揮できそうな気はしたかな。
ーサブで土井谷さんの1週間の密着動画(『心霊スポット生活ディレクターの土井谷に1週間密着してみた』)が上がっていました。忙しい時や自分の限界を超えそうな時にどのように乗り越えますか?
「心霊スポット生活ディレクターの土井谷に1週間密着してみた」
土井谷:いや、ないっすね(笑)。もうしんどいもんはしんどいっす。ただ、納期は決まってるわけじゃないですか。「どんだけしんどくてもここまでに終わるよな」っていうのはありますよね。なんかサウナと一緒で、暑くてしんどくて、そのあとに水風呂入った気持ちっていうか。
土井谷:とんとん拍子にうまくいってもそんなに嬉しくはないですよね。きつかったなっていうものがちゃんと報われて、良かったなって気持ちになるんで。しんどくないときのものって褒められても意外とそんな嬉しくないというか…。辛い思いをして、それが報われればなって思うくらいです。
ー土井谷さんが27年間の人生で、一番大切にしているのは何ですか。
土井谷:これ結構重要そうな質問だな(笑)。でもあれだな…、「実直」じゃないですか。「誠実さ」、「実直」…。あんまり損得勘定で考えすぎると良くないかなとちょっと思っていて。自分に嘘をつかないことですかね。
土井谷:俺はなるべくしないようにしようと思ってますね。嘘をつかなきゃいけないときもあるんですけど、それで自分をごまかすのはよくないかなと思います。
ー幼馴染たちとの「だいにぐるーぷ」も8年目に突入しました。「だいにぐるーぷ」はどう変わりましたか?
土井谷:1番はファンとの交流の機会が増えたかなっていう部分です。ある程度はファンの人たちに感謝を伝えられるようになったような気がします。去年、YTFFの時に、会場に馴染みの顔が見えたとき、めっちゃ落ち着いたりしたんで。
土井谷:そこらへんを案外、素直にファンの人に言えるようになった気がします、20代後半は。20代前半のときはあんまり言う気もなくて、「別に言わなくてもいいや」とか思ってたんですけど、YTFFとか外に出たときに「やっぱりファンって大事だな」って感じましたね。
ー20代前半の頃の「だいにぐるーぷ」は今よりももっと「動画クリエイターであること」を重視されていた風に思います。ファン層が広がることによるファンへの心境の変化などはありましたか?
土井谷:最近ちょっと、「ファン」ってなんか親みたいな感じかなと思うようになって。なんか割と何でも褒めてくれるじゃないですか(笑)。自分がうまくいってるときにファンから褒められたりすると「いや、もう、ちゃんと見てよ!」とかちょっと思ったりしたこともあるんですけど。
土井谷:でも、僕がしんどい時も褒めてくれるっていう意味では、やっぱりファンって優しいなっていうのもあるし。ある年頃になってきて、親のありがたみがわかるって感じですね。昔は子供だったんで。
土井谷:20代前半のときとかって、「僕らじゃなくて、動画を見てほしい」みたいに感じていた部分があったんですけど。でも、動画を形成する要素の中にメンバー自身の素が映ってたりとか、その人の面白い部分や良さみたいなところが映ってて、そこを含めて動画の評価であるのであれば、メンバーにファンがついてくれたとしても、それはクリエイターとしてうまくいっているんじゃないかなと思えるようにはなりましたね。
土井谷:僕もBlu-rayとかメインとかいろいろディレクションしてみて、「メンバーその人の魅力を引き出せたこと」が自分のポイントになったり、喜びになったりしてる部分があるので。今は、ファンが増えることはそういうことなのかなっていう認識に変わりましたね。
ー27歳の抱負はいかがでしょう?
土井谷:「自己責任」ですかね。何となく「自己責任」がテーマになりそうな1年な気がしてます。僕の誕生日が、9月頭じゃないですか。ちょうど半期というか、大体「だいに」が8月まで企画をやって…今回の「1週間心霊生活-REBORN-」もそうだし前回の「ラスベガス人生逆転生活」のときもそうだったし、いったん、一区切りついて、また次の企画が9月から始まるんで。
土井谷:そういう意味では今年もそうだし、去年もそうだし、その誕生日期間に上がったのが何となく人生の中でその年齢を表していて。なのでやっぱりいつか見返したときに、「このとき頑張ったな」と思えるような感じのものは、作りたいかなと思っています。
「27歳の変化」をテーマに行った本インタビューで、土井谷が最も長く語ったのは「ファンへの気持ち」であった。それを語る彼の表情は、まさに実直で誠実であった。
グループ結成8年目。27歳の彼らは「若者」でも「ルーキー」でもないかもしれない。でもきっと変わらず私たちをワクワクする世界へと誘ってくれるはずだ。
動画の質と年齢のバランスがようやく釣り合ってきたこの先こそが、「だいにぐるーぷ」の第二幕だ。
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