【Vol.22】Not Found 制作の裏側|関係者レポート

【Vol.22】Not Found 制作の裏側|関係者レポート

Not Found
影の立役者ー

2024年6月14日(土)、だいにぐるーぷの新作『Not Found』が公開された。 

本作は、「人探し」というものをテーマに日本全国を飛び回り菅原冬真を探すというストーリーの中で様々な展開が盛り込まれたものとなっていた。また作品の随所には本作のコンセプトである「AI」に言及するアイキャッチが至る所に挿入され、ラストシーンではついにその全貌が顕になるというものであった。


本編の随所に差し込まれたAIに関する情報の羅列

だいにぐるーぷのこれまでの作品との大きな違いは、本作には脚本を用いての制作となり、台本を用いての撮影やエキストラの出演など、いわゆる映画寄りの制作であった。そして新しい撮影体制を設けるにあたり、本作の制作には欠かせない男の存在があった。


饗庭 拓弥(株式会社「電球」代表取締役)

そんな男、饗庭 拓弥について、そして彼から見るだいにぐるーぷの制作について紹介していこう。

岩田の頭にあるものを
具現化するー

ー本作の制作にあたり、饗庭さんが行っていたことを教えてください。

饗庭:ざっくりと制作プロデューサーのような立ち回りを行なっていたと思います。わかりやすく言うと、予算の確保から撮影スケジュールの管理、ロケ地の選定や出演者の手配、施設や自治体・役所との交渉など、裏方周りをメインで行ってましたね。


宮城県栗駒六日町町通り商店街

饗庭:あとは、とにかくクリエイターの要望に応えるってことですね。今回で言うと監督の岩田くんからの要望、彼がどういうものを描こうとしているのかを汲み取って、それをどうにか実現できるようにするみたいな感じで諸々対応していました。

ーだいにぐるーぷとの制作について思うことはありますか?

饗庭:僕はやっぱり楽しむって気持ちは忘れないで欲しいなと思います。だいにぐるーぷと仕事する時にはそれが自然と感じられるというか、みんなと仕事するのが楽しいんですよね。

饗庭:誰かが寝坊してきたとか、朝起きられないとか、なんかこの日この時間までだったら全然起きられないとかあったとしても、僕は絶対キレないですし、本当に笑顔で楽しく撮影したいなっていうのは意識してますね。

饗庭:楽しんでなんぼでしょ。

ー本作の制作にあたり、饗庭さんが意識していたことを教えてください。

饗庭:予算管理をしっかりしたかったっていうのがまずあります。海賊サバイバルが終わった時に、制作予算が溢れて赤字になったって聞いたんですよね。


想定以上の予算がかかった前作「海賊サバイバル」

饗庭:海賊サバイバルではあまりタッチできなかったこともあって、それはやっぱり岩田くんが経営者とクリエイターの2つの側面を持っているからだと思っていて。今回の作品は、岩田くんには特にクリエイティブっていう一つの役割に絞ってあげたくて。

饗庭:裏で僕が予算周りやロケ地や出演者の方の撮影の手配を行って、彼にはとにかく撮りたい画を出してもらう。岩田くんのクリエイティブ力は本当にすごいと思ってるので今後もそうですけど、そっちに能力を生かせるように整えられたらなって感じですね。恐れ多いですけどジブリで例えると、彼が宮崎駿さんだとしたら僕は鈴木敏夫さんの役割で。

ーロケ地の選定ってどのように行われていたのでしょうか?

饗庭:一貫してるんですけど、とにかく岩田くんのイメージに沿うところです。今回の企画は、今までで一番岩田くんと会話して作った気がします。

ー岩田さんのイメージというものはどういうものが多かったのでしょうか?

饗庭:岩田さんは頭が良いです、また言語化も得意です。ただ、一方ではクリエイターの側面もあるんですね。例えば「古びた昔ながらのホテルみたいなところがいいんですよね」とかの表現をすることがあるんです。


本編の高知パートに登場した宿「岬観光ホテル」

饗庭:そこを僕がいくつか写真を出したりとかして言語化していくというか、岩田くんに例えばABCの画像を見せて、さっき言ったイメージってどれに近いですかね、っていう風に具体化していく感じです。和風なのか洋風なのか、古びたなのかくたびれたなのか、そういう彼のイメージとの照らし合わせもあって、いっぱい会話しましたね。


昔ながらのホテル「岬観光ホテル」の廊下の様子

ー本作の現場として、饗庭さんの地元の高知県での撮影がありましたがどういう観点からそちらが選ばれたのでしょうか?

饗庭:今回の遠方での撮影地として宮城と高知があったのですが、2つは制作の観点から見ると明らかに違っていて。それこそ宮城はみんながよく口にするように縁もゆかりのない土地で、現地の方との出会いが撮影を大きく変えた、いわば場当たり的な場所だったんですね。

饗庭:それに比べると高知は、僕がよく知っている街だったっていうのが大きなポイントだと思います。現地での撮影に出てくれた人のほとんどは僕の知り合いの人に出てもらったりして、撮影地も僕が詳しい場所だったりと、事前に予定された撮影だったっていうのが一つあるかなと思います。



饗庭さんの実家を使用し、友人に出演してもらった際の撮影の様子

饗庭:高知での撮影が実は先だったこともあってスケジュールの観点からも、まずはスムーズな撮影ができるように、っていう意識もあったと思いますね。地方の選定や具体的な撮影地・出演者の選定と手配、また現地コーディネーターの手配といった、通常では必要な制作手配に関する工数が省けたというのが大きなメリットでした。


サカエダ役で出てもらった饗庭さんの地元の後輩

饗庭:あとはみんなに僕の幼少期からの思い出のお店「安兵衛」の餃子を食べて欲しかったっていうのがありますね。大人になっても仲良い奴らと一緒にこの店に来てるんだなって、自分でも嬉しくなりましたね。




饗庭さんの思い出のお店「安兵衛」

ーそんな高知に比べて、宮城県での撮影はどのようなイメージで撮影に臨もうとされてましたか?

饗庭:全部計算していました。何日間か待ち人と交流したらこれぐらいの信頼関係付けて最終日にこれぐらい引っ張って使ってくれるだろうなって計算のもと、みんなを飲み屋に連れていったりしたのが結果的に好走しました。

饗庭:すみません、正直言うと全然計算に入れてなかったです。

饗庭:みんなと撮影しながら地元の人と仲良くなっていって、最終日にすごいその人たちが手伝いに来てくれるみたいな。それは僕がすごいとかじゃなくて、マジでみんなの人柄じゃないかなって思いますね。今回の撮影にはドラマがありましたね。だから本当にそういう経験をさせてくれてだいにぐるーぷには感謝しています。


宮城県現地での撮影が全て終了した際の様子

ー改めて今回の撮影を振り返ってみていかがですか?

饗庭:話してて僕の中でも整理がついたことなんですけど、冒頭でも話していた通り楽しく撮影したいなってことが身を結んだ撮影だったのかなって思いますね。みんなとただ作品を作りに行くだけみたいな気持ちで撮っていたらもちろん現地での交流もなかったわけですし。

饗庭:みんなと本当に文化祭のような気持ちで楽しんで、せっかく東北来たからには東北の美味しいご飯行こうとか、何かしたおかげでいろんな人たちと仲良くなれて、ああいう結果になったのかなって思いますね。本当にいちばんの思い出かもしれないです。

ーだいにぐるーぷとのこれからについてお願いします。

饗庭:今回の規模の企画は、一般的なYouTuberからしたら大型企画というジャンルで作ってる人はいっぱいいるとは思いますけど、100%自分たちだけでやってるところは絶対ないと思うんですよ。大体が制作会社を使って、いろんな大人たちを巻き込んでやってるんですけど、今回みたいなだいにぐるーぷだけでこういうのを作るって、他のYouTuberでは絶対できないことをやってると思います。




ラストシーンの撮影の準備の様子

饗庭:今回の経験はそれこそ僕自身の成長にも繋がるところが実はあって、将来的には僕自身がエンタメの中心にいる人物になりたいなって思う一つの夢もあるんですね。

饗庭:「エンタメで世界を沸かせたい」ってことをずっと考えていて、それはYouTube以外の分野でも、とにかくあの人に頼んだらすごい企画ができるみたいな、その大きな足掛かりの一歩になる大変良い機会だったなと感じます。

饗庭:だいにぐるーぷと世界を沸かす、長い目でこれからに期待して待ってもらえればなと思います。

だいにぐるーぷの10人目といっても過言ではない男、饗庭 拓弥。

彼の中でだいにぐるーぷと一緒に作品を制作するということは、もちろん社会に影響を与える作品を共に作るということは前提のもと、とにかく楽しいということが彼の原点なのだろう。

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だいにぐるーぷ

だいにぐるーぷとは、中学の同級生で結成されたYouTubeクリエイター集団。2017年4月22日にYouTubeで活動を開始してから「アメリカ全土で1週間鬼ごっこ」や「無人島からの脱出」など、既存のYouTuberの枠に囚われない企画力・編集力で人々を楽しませます。